スギ花粉症患者に対し2014年からスギ花粉舌下免疫療法が保険適応となり,2014年に舌下免疫療法を開始した患者について2015年と2016年のスギ花粉飛散期での有効性を検討した。さらに舌下免疫療法に対して改善を望む点や,治療を継続するのに役立ったことなどをアンケート調査した。また舌下免疫療法治療中,患者に対し服薬ノートを記載するように指示し,毎回の診察時にアドヒアランスについて確認した。有効性の検討の結果,2015年と2016年のスギ花粉飛散期において,薬物療法群と比較し舌下免疫療法群の患者の症状スコア,QOLスコアが低い結果であった。また舌下免疫療法について改善を望む点については「長期の通院」や「施行施設が限定されている」などが挙げられた。舌下免疫療法の継続に役立っていると思われる点については「服薬ノートをつける」「決まった時間に服用する」「定期的な通院を行う」などの回答が多かった。アドヒアランスの検討では,アドヒアランスが100%の群と80%未満の群での症状薬物スコアを比較した結果,100%の群は80%未満の群と比較して有意に症状薬物スコアが低い結果となった。今後長期間における有効性の検討や服薬アドヒアランスについても観察する必要があり,さらにこれから開始する患者についても同様の結果が得られるか検討していく必要があると考えられた。