日本農村医学会雑誌
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原著
上部消化管内視鏡検査におけるミダゾラム静注鎮静後フルマゼニル拮抗法
水野 樹松木 美知子合田 吉徳谷本 光音花岡 一雄
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2004 年 52 巻 5 号 p. 823-830

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抄録

上部消化管内視鏡検査におけるミダゾラム静注による鎮静後のフルマゼニル静注による拮抗法の有用性について検討した。成人25症例を対象に, ミダゾラム5mgを静注3分後に内視鏡検査を施行し, 内視鏡抜去5分後にフルマゼニル0.25mgを静注した。血圧, 心拍数, 経皮的動脈血酸素飽和度 (SpO2) を, ミダゾラム静注1分前, ミダゾラム静注2分後, 内視鏡挿入1, 3, 5分後, 内視鏡抜去1, 3分後, フルマゼニル静注1分後, 覚醒時の9点で測定記録し比較した。覚醒15分後に内視鏡検査中の記憶の有無と程度を問診し, 苦痛度を視覚的評価尺度 (Visual Analogue Scale : VAS) で評価した。収縮期血圧は, ミダゾラム静注2分後にミダゾラム静注1分前と比較し有意に低下した。内視鏡挿入1分後に増加したが, 以後徐々に低下した。フルマゼニル静注1分後と覚醒時に増加傾向を示したが, ミダゾラム静注1分前と比較し有意に低値であった。心拍数は, 内視鏡挿入1分後に最高値に達し, 以後徐々に減少し, フルマゼニル静注1分後と覚醒時に内視鏡挿入1分後と比較し有意に低値であった。SpO2は, ミダゾラム静注1分前の97.6±1.6%から, ミダゾラム静注2分後には95.7±2.5%と有意に低下し, 以後95%台で推移した。覚醒時には96.6±2.0%と回復した。2症例に内視鏡検査中の記憶を一部認め, 残りの23症例は全く記憶がなかった。記憶を一部認めた2症例のうち1症例がVAS20mm, 別の1症例がVAS 0 mmであった。本鎮静法は, 内視鏡検査操作に伴う循環変動を抑え, 順行性健忘と除痛が得られ有効であるが, 呼吸抑制の可能性があり経時的観察を要する。

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© 2004 一般社団法人 日本農村医学会
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