日本農村医学会雑誌
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看護研究報告
癒されて退院していただくための新たな試み
—退院時面接の導入と効果—
栗田 由美子山中 正子佐藤 孝子皆川 美和子高階 英子佐藤 英子伊藤 みゆき菅 レイ子
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2004 年 52 巻 5 号 p. 843-848

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抄録

〔目的・方法〕 現在, 医療もサービスの時代といわれ, 上限のないサービスが求められている。当院でも職員教育など努力していても, 患者が不満を抱えたまま退院している事は投書などから伺える。そこで, 退院時に患者の想いをくみとる癒しの場を作ることができれば, 患者は気持ちよく退院を迎えられるのではないかと考え, 平成12年より退院時面接を導入した。そして, 導入後2年間の面接の実施状況を把握するために, (1) 面接の実施率の調査, (2) 看護師へのアンケート調査を施行した。また面接の効果を, (1) 患者・看護師へのアンケート調査, (2) 面接時の生の声から分析した。
〔結果〕 実施状況として, 面接は患者の約60%に行われており, ほぼマニュアル通りに実施されていた。また, 実施を重ねるごとに看護師の理解度も深まっていた。
面接の効果として, 患者からは「看護師と話すことで穏やかな気持ちになった。」89%, 「入院中のつらさを解ってもらった。」94%と回答があった。「退院時面接を続けたほうがよい。」も94%であった。看護師からは, 「患者の生の声を聞くことで, サービス向上につながった。」「自分を省みる機会になった。」などの回答が多くあった。面接は患者理解の効果があるとともに, 看護の振り返りの場になっている。また, 「患者の言葉が励みと意欲につながった。」という志気高揚の効果も得られた。そして, 患者・看護師の相互に癒しの場面が展開していた。

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© 2004 一般社団法人 日本農村医学会
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