2008 年 57 巻 1 号 p. 34-49
動物と暮らす生活は心豊かになると国民の認識が高まるなか,入院患者による伴侶動物との面会や同居の要望が多くなっており,病院における動物とのふれあいが普及している。入院患者の生活の質の向上を目的とした看護援助を実現するため,動物とのふれあいを導入する予定である精神科病院に勤務する看護職員を対象に,動物の嗜好性や病院における伴侶動物に関する意識調査を行なった。その結果,多くの看護職員は,動物介在活動・療法の体験がないものの,伴侶動物との面会や同居が入院患者になんらかのプラスの影響が期待できると考えており,看護職員の「動物に対する嗜好,考え,体験」が「病院における動物ふれあい実施への理解」に及んでいることが明らかになった。病院での伴侶動物との面会や同居の実施には,看護職員が動物に関心があり,動物好きであり,日常生活でも動物との生活の必要性を感じていることが重要であると考えられた。