日本農村医学会雑誌
Online ISSN : 1349-7421
Print ISSN : 0468-2513
原著
糖尿病患者における発芽玄米摂取による糖・脂質代謝への影響
早川 富博鈴木 祥子小林 真哉福富 達也井出 正芳大野 恒夫大河内 昌弘多気 みつ子宮本 忠壽丹村 敏則岡田 美智子
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2009 年 58 巻 4 号 p. 438-446

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抄録

 発芽玄米の糖代謝・脂質代謝に対する影響を知ることを目的に,糖尿病患者に試験食 (発芽玄米: 白米を1:1に調整) を3か月間摂食させて,その前後で糖・脂質のパラメーターを比較検討した。3か月間の試験食摂取によって,グリコヘモグロビンは,摂取前の6.40±0.23%から6.23±0.19%へと有意な低下が認められた。空腹時血糖値に有意な変化はなかったが,インスリン値とHOMA-IRは低下傾向を示した。T-CHO値,TG値は試験食の摂取によって変化はみられなかったが,LDL-c値は低下傾向,HDL-c値は増加傾向を示し,LDL/HDL比は摂取前の2.03±0.13から,摂取3か月後には1.83±0.12へと有意に低下した。試験食摂取量を多い群と少ない群に分けて検討すると,試験食の摂取量が多い群で,LDL-c値は有意に低下,HDL-c値は有意に増加した。今回,糖尿病患者において,3か月間の発芽玄米摂取によって糖代謝と脂質代謝がともに改善する結果が得られた。これらは,糖尿病患者の食事療法として発芽玄米が有効であることを示すものであるとともに,高コレステロール血症の治療にも有効である可能性を示すものと考えられた。

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© 2009 一般社団法人 日本農村医学会
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