日本農村医学会雑誌
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原著
介護保険制度発足後の居宅要介護者の要介護度変化
福間 美紀塩飽 邦憲
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2010 年 58 巻 5 号 p. 516-525

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抄録

 介護保険制度の発足後に増加した要介護軽度者は,介護サービス受給によって要介護度の悪化が認められたことから,要介護軽度者へは予防を志向した制度改革が実施された。しかし,要介護軽度者の要介護度変化について解析した研究は少ない。このため,居宅要介護者について,要介護度を追跡し,変化とその関連要因を解析した。対象は出雲市の居宅要介護認定者で,2000年コホート1,965人,2002年コホート2,547人であった。それぞれ2年後の要介護度変化 (維持・改善,悪化,死亡) をコホート間で比較し,関連する要因を検討した。2002年コホートは,2000年コホートと比較して,全要介護度で維持・改善が増加し,悪化が減少した。その傾向は要介護度軽度者 (要支援・要介護1) で顕著であったが,死亡率には有意な差を認めなかった。要介護認定方法はこの間大きな変化はなく,介護サービスの量的な変化も少ないため,要介護度変化の改善をもたらしたとは考えにくい。このため,利用者やサービス事業者の介護やサービスの質が要介護度改善に寄与したことが示唆された。介護サービスを改善するためには,要介護度変化の経年的な評価により要因を明確にすることが重要と考えられた。

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© 2010 一般社団法人 日本農村医学会
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