2010 年 58 巻 5 号 p. 558-562
がん診療連携拠点病院の整備に関する指針が2008年3月1日厚生労働省より出された。その中でがん診療連携拠点病院は診療所と連携してクリティカルパスの一覧を作成・共有することが求められている。この連携を進める準備として愛知県海部医療圏の医療施設にアンケートを送付し,意識調査を行なった。
その結果,病院側の予想しないところで,診療所により考え方が大きく異なることが判明した。がん患者の受け入れ態勢のある施設は52.6%で約半数であった。また,すべての病期を受け入れると表明しながら,緩和ケアの受け入れができない施設が存在した。診療所は紹介がん患者の逆紹介を必ずしも望んでいないことが判明した。これら結果をもとに今後病院と診療所が連携を進めることが有用であると考えられた。