日本農村医学会雑誌
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報告
安城更生病院における新入職員準備教育プログラム
(新人オリエンテーション) の評価と教育研修委員会の役割
池田 真紀三浦 崇則鈴木 久美子三井 千鶴小川 昭正
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2011 年 59 巻 5 号 p. 562-567

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抄録

 安城更生病院 (以下,当院) では多職種で構成された教育研修委員会を立ち上げ,今年で5年目を迎えた。この委員会は,新人オリエンテーション・生涯教育を担当している。今回の調査はこれまでにこの委員会が実施した新人オリエンテーションの実績を振り返るとともに今後の課題を検証することとした。
 当院の新人オリエンテーションの主目的は彼らが社会人として生きるための基礎知識を学ぶことである。そこで新人オリエンテーションの評価を行なうために参加者に対して各プログラムの研修時間と受講者の満足度との関係を調査した。その結果,オリエンテーションのコンセプトとして挙げている “病院の基本理念・方針の周知” において印象に残った受講者が少ないことが明らかとなった。一方で院内見学・感染対策の手洗い指導・接遇と応対など参加型の研修が受講者の印象に残っていることが分かった。加えて,講義型の医療事故防止プログラムは研修時間を延長しても受講者の満足度向上にはつながらなかった。これらのことは講義型の研修は受講者にとって実践をイメージできないために研修の満足度を低下させている可能性が示唆された。今後は,更に充実したオリエンテーションになるよう各コンテンツの企画段階から教育研修委員会が介入し,新入職員が気持ちよく社会人としてスタートできるようサポートしていきたい。

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© 2011 一般社団法人 日本農村医学会
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