日本農村医学会雑誌
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原著
小児白血病の臨床像と治療成績の変遷
宮島 雄二北村 英里奈柴田 陽子羽田野 ちひろ宮崎 史子伊藤 祥絵澤井 潤孫田 みゆき松沢 要深沢 達也竹本 康二久保田 哲夫加藤 有一小川 昭正久野 邦義
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2011 年 60 巻 4 号 p. 527-534

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抄録

 1980年から2009年の30年間に当院で治療した小児白血病110例の臨床像と治療成績の変遷を検討した。発症時の平均年齢は5歳11か月で,男女比は1:0.72,白血球数の中央値は1.37×104/μlであった。白血病の病型は,急性リンパ性白血病79.1%,急性骨髄性白血病17.2%,慢性白血病3.6%であった。全症例での30年全生存率は67.4%であった。年代別の10年全生存率は,1980年代46.4%,1990年代69.2%,2000年代87.3%であり,有意に改善していた (P<0.01)。病型別の10年生存率は,ALLが70.7%,AMLが70.6%であったが,最近の症例での10年全生存率はALLが87.0%,AMLが87.5%と改善していた。造血幹細胞移植は24例に行なわれ,移植例の10年全生存率は58.6%であった。3例で二次性腫瘍が発症し,6例が後遺症の治療を現在も受けている。小児白血病の治療成績は時代とともに著明に改善していたが,今後も予後不良例に対する治療強化とともに,予後良好例に対しては副作用の少ない治療法の開発が必要と考えられた。

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© 2011 一般社団法人 日本農村医学会
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