日本農村医学会雑誌
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症例報告
微量元素欠乏における問題点の考察
──セレン欠乏,亜鉛欠乏の症例経験から──
奥本 真史要田 裕子北村 智樹近森 正和中西 紀男
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2011 年 60 巻 4 号 p. 548-554

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抄録

 生体内には多種類の金属がさまざまな濃度で存在して,生命機能の維持に重要な役割を担っている。とくに微量元素の生化学的および栄養学的な機能,欠乏症,過剰症などに関する学際的な研究発展とともに微量元素の重要性が広く注目されるようになった。よって栄養指標として体内の微量元素が欠乏しているかどうかを考慮することは栄養療法上重要であり,長期栄養管理において微量元素欠乏症が生じる危険性は以前より知られている。
 今回微量元素欠乏症が疑われた患者を経験した。セレン欠乏症の症例については,院内製剤でセレン注射液を作成し高カロリー輸液へ混注し施行すること,また褥瘡を有する亜鉛欠乏症の症例には,亜鉛含有胃潰瘍治療剤ポラプレジンクを使用することにより血清微量元素濃度も改善し,2症例とも良好な経過がみられた。
 しかし治療薬の使用法や検査方法などには注意を要する。今回微量元素欠乏症に対する検査や治療の問題点について考察したので報告する。

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© 2011 一般社団法人 日本農村医学会
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