日本農村医学会雑誌
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報告
鹿児島県の産科医療機関の現状と種子島への助産師派遣
─2病院の取り組み─
黒江 奈央吉留 厚子
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2013 年 61 巻 4 号 p. 618-624

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抄録

 本報告では鹿児島県,鹿児島市,県内離島である種子島,名瀬,徳之島,屋久島における統計上の動向からみえる助産師問題を明らかにし,2病院の取り組みの実態及び助産師確保に関する課題を明らかにする。
 鹿児島県では助産師の偏在化が問題となっており離島での助産師不足は深刻である。今後ますます深刻化が予測される助産師不足に対して早急の対応が望まれる。故郷で出産をしたいと島民の助産師に対するニーズは高く,助産師が少ないために周産期管理の安全性が脅かされてはならない。助産師確保の対応策として2011年4月種子島への助産師派遣が開始された。現在複数の常勤助産師が勤務し派遣の要請はないが,助産師確保が困難な離島の特性を踏まえると,今後も助産師派遣の体制を整える必要がある。今給黎総合病院看護部長並びに志戸岡助産師の語りをもとに,今後の派遣体制のあり方と助産師確保の課題についてまとめたので報告する。

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© 2013 一般社団法人 日本農村医学会
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