日本農村医学会雑誌
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看護研究報告
カテーテル関連尿路感染予防策の統一に向けて
泌尿器科病棟における取り組み
永井 優花前野 仁美星 葉子佐藤 真由美湯原 里美
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2014 年 63 巻 1 号 p. 70-75

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抄録

 尿路感染症 (以下UTI) は最も頻発する院内感染であり, 院内感染の約40%を占め, そのうちUTIの80%以上がカテーテル関連尿路感染 (以下CAUTI) であると言われている。ウロバックの排泄口には多くの微生物が存在し, バック内に侵入する危険性が高く膀胱内に侵入することでUTIの原因となることがある。また, 留置期間が長いほどCAUTIのリスクは高まり緑膿菌, セラチア, 黄色ブドウ球菌や抗菌薬耐性のものが増え複数菌感染の増加を認める。よって, 尿道カテーテルの適切な使用や管理が最も重要な尿路感染症対策であり, カテーテル操作を実施することが多い医療者が媒介にならないように, 標準予防策に加え, CAUTI予防が重要となる。今回, 対策の現状調査を行ない評価・介入した上で, 院内感染症委員会で使用しているチェックリストを用いて評価を実施, 対策に使用する物品環境の見直し, その後, 標準予防策についての勉強会を実施した。その結果, 6月の評価時には評価の低かった項目も9月・3月の評価時には全ての項目が100%となり, スタッフ全員の知識の向上・必要性の認識に繋がった。指導方法として, 演習を取り入れた教育はイメージが付きやすく, 効果的であったと考える。感染予防の効果を維持するためには, 意識が薄くならないよう定期的な勉強会や評価が求められる。

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© 2014 一般社団法人 日本農村医学会
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