日本農村医学会雑誌
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原著
小麦ふすまが食後血糖・インスリンに及ぼす影響
木村 京子月山 克史佐々木 司郎大久保 俊治市丸 雄平
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2016 年 65 巻 1 号 p. 25-33

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抄録

 小麦ふすまを10%添加した稲庭うどんを作成し,食後の血糖値およびインスリン値に及ぼす影響について市販品の稲庭うどんと比較検討をした。健常な成人40名(男性20名,女性20名)を対象に同重量(乾麺100g)の小麦ふすま入り稲庭うどんと稲庭うどんの単回摂取クロスオーバー試験を実施した。被験者は小麦ふすま入り稲庭うどんと稲庭うどんをそれぞれ5分以内で喫食し,食前,食後30分,食後60分,食後120分の4点で血糖値・インスリン値を測定した。小麦ふすま入り稲庭うどんは稲庭うどんに比べて血糖値が低い傾向にあり,食後60分の血糖値は有意(P=0.0251)に低かった。インスリン値は小麦ふすま入り稲庭うどんが稲庭うどんより高い傾向にあり,食後30分では有意に(P=0.024)高かった。今回の検討で小麦ふすまをうどんに添加する事により食後血糖の上昇が穏やかになる事が示唆された。  以上により小麦ふすま入り稲庭うどんは食後の血糖上昇抑制に有効であり,糖尿病予防や食事療法のための主食として有益である可能性が考えられる。

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© 2016 一般社団法人 日本農村医学会
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