日本農村医学会雑誌
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看護研究報告
透析医療におけるシャント閉塞予防への取り組み
米田 隆史高木 朋子土屋 孝子勝川 ゆかり
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キーワード: STS, PTA, VA
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2016 年 65 巻 1 号 p. 98-102

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抄録

 血液浄化療法におけるシャントトラブルでは,静脈狭窄起因によるものが最も多く認められている。従来は患者の負担を考慮するため,シャント機能不全末期になるまで外科的な修復を待つ傾向にあった。しかし,近年ではインターベーション治療の発展に伴い,シャント機能不全の早期に軽度な負担でシャント機能を改善する事が出来る様になった。今回A病院の血液浄化センターにおいて,2012年のシャント閉塞による再手術件数を調査した結果,シャント閉塞による再手術件数は14件であった。そこで,2013年にシャント閉塞を未然に予防するためのチーム活動を開始した。シャント観察の強化に着手し,シャント異常の早期発見・早期対処を目標に取り組んだ。まず,VA(Vascular Access)検査依頼表を作成し,従来あるものを参考に当院オリジナルのシャントトラブルスコアリングシートを作成した。その結果,シャント機能不全早期でのシャント造影・経皮経管的血管形成術(Percutaneous Transluminal Angioplasty : PTA)の件数が増加し,シャント閉塞によるシャント再作製件数を減少させることに繋がった。今後もこれらの活動を継続し,シャントトラブルの早期発見・早期対処に努めて行く必要がある。

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© 2016 一般社団法人 日本農村医学会
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