日本農村医学会雑誌
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症例報告
インスリンとGLP 1受容体作動薬の併用で,インスリン減量と早期の血糖平坦化の達成を実現できたと考えられCGMで確認できた1例
栫 昭太丹村 敏則酒井 貴夫西﨑 章浩鈴木 健人山田 修司村瀬 和敏田中 創始冨本 茂裕高橋 佳嗣宮本 忠壽
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2016 年 65 巻 2 号 p. 273-278

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抄録

 症例は63歳,女性。約1年間の治療自己中断後に口渇多尿等で1回目はX年11月,2回目はX+1年10月に入院した。1回目入院時は持効型インスリン・グラルギン8単位1日1回,超速効型インスリン・グルリジン4単位毎食直前,2回目入院時はグラルギン4単位1日1回,グルリジン3単位毎食直前を使用し,さらに2回目入院時はGLP 1受容体作動薬リラグルチド0.3mg・1日1回を併用した。入院後の5日間の血糖変動(以下mg/dL)は1回目入院時の朝食前,昼食前,夕食前,就寝前が第1日:-,-,347,180,第2日:273,266,109,188,第3日:75,192,186,182,第4日:93,194,91,144,第5日:78,95,124,127,2回目入院時がそれぞれ第1日:-,-,486,299,第2日:140,137,195,128,第3日:101,122,114,108,第4日:101,123,123,137,第5日:89,136,111,129であった。CGMでは1回目が平均128,標準偏差34,2回目が平均125,標準偏差20であった。GLP 1受容体作動薬のインスリン分泌作用やグルカゴン抑制作用により入院後のインスリン減量と早期の血糖平坦化の達成が実現できたと考えられた。

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© 2016 一般社団法人 日本農村医学会
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