日本農村医学会雑誌
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看護研究報告
中堅看護師の継続教育の現状と課題
秋山 朋子中田 美智子坂本 紅美子川上 恵美子
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キーワード: 継続教育, 中堅看護師
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2016 年 65 巻 2 号 p. 279-284

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抄録

 同じ設置主体(以下A組織とする)である病院及び施設は,専門職として主体的かつ継続的に質の高い看護実践ができる看護師を育てるため,段階別研修を実施しているが,中堅看護師を対象とした研修は実施していない。  本研究の目的は,中堅看護師の継続教育の現状と中堅看護師が必要と考える研修内容及び方法を明らかにし,教育計画の基礎資料を得ることである。研究方法は,量的記述的研究で,A組織の病院及び施設の看護師経験年数10年以上(管理職を除く)の看護師を対象に無記名自記式質問紙を用いて実施した。量的に分析できる項目は単純集計,自由記述は帰納的分類による内容分析を行ないカテゴリー化した。対象者は355名,回収192部,回収率54.0%であった。過去1年間の研修会参加率は,院内での研修会は92.5%,院外での研修会は69.2%であった。研修会への参加に対する思いは,「勤務として認められるなら参加したい」が56%,内容及び方法の要望を聞き入れてもらえているか否かは,「どちらとも言えない」が56%,研修会に参加できない理由は,院内での研修は「疲れている」が25%,院外での研修は「開催場所が遠い」が24%であった。中堅看護師としての能力を向上する研修会は61%の人が希望し,内容は「看護実践能力」が54%,形式は「講義・演習」が47%であった。理由は「実技があることで技術が身につく」等があり,看護実践能力に関する内容で,実技を取り入れた研修計画が課題である。

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© 2016 一般社団法人 日本農村医学会
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