日本農村医学会雑誌
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看護研究報告
心電図モニターの不適切なアラームを減らす取り組み
堀田 好紀成田 真里亜海老島 のどか阿部 翔子
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2016 年 65 巻 4 号 p. 872-878

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抄録

 循環器病棟における,心電図モニターによるアラームの現状を調査したところ,器械判定と実際の波形が一致する,正当なアラームは49%だった。不適切なアラームを減らす取り組みとして,我々はこれまでに,「電極が乾いたり外れやすくならないよう電極を1日1回貼り替える」,「貼る位置が汗で汚れている場合は拭き取る」など6項目の対策が必要であることを報告した。  本報告ではこの対策の有効性を,対策前後のアラームの数,種類,原因の3項目で評価した。その結果,アラーム数が3,699個から1,109個へ,脱落接触不良が629個から30個へ,器械誤認が432個から114個へそれぞれ減少した事が明らかとなった。一方,体動による乱れは415個から418個と変化がなかった。我々が提唱した6項目の対策は,不適切なアラーム,特に脱落接触不良と器械誤認が原因となるものの減少に有効である可能性が示唆された。  さらに,不適切なアラームの減少を目的として,「器械判定の感度を下げる」事の是非を検討したところ,アラームとすべき波形を器械が認識できない事例があったことがわかり,検出感度を下げることは好ましくないことがわかった。

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© 2016 一般社団法人 日本農村医学会
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