日本農村医学会雑誌
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症例報告
廃用症候群を呈したレビー小体病に対し,回復期病棟で多職種の介入によってADL が改善した1 例
箱守 正樹豊田 和典須藤 聡野口 晴香冨滿 弘之
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2017 年 65 巻 6 号 p. 1194-1200

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抄録

 合併症を契機にベッド上臥床となっていた70歳代女性のレビー小体型認知症(以下,DLB)症例に対して,回復期病棟で医師の服薬調整,リハビリテーション(以下,リハ),看護師,介護福祉士による病棟レクリエーション(以下,レク)の介入を行なった。
 入棟時,起き上がり動作,移乗動作,立位保持は重度介助だった。両上肢は固縮に加え振戦が顕著で,食事動作は全介助だった。パーキンソン病統一スケール(以下,UPDRS)は129点,FIM は27点だった。
 医師は固縮,振戦,精神機能などに対し薬剤調整を行ない,リハはレッドコードを中心としたリーチ練習,立ち上がり,立位保持練習を行なった。レクは平日約30分間行なった。40日目で起き上がり動作が可能になり,84日目自宅退院となった。退院時の移乗動作は軽度の持ち上げ介助になった。立位保持は上肢支持で2 分間可能になった。食事動作は自力摂取が可能になった。UPDRS は105点,FIM は43点まで改善した。
 一次性機能障害に対する医師の薬剤調整と廃用症候群等の二次性機能障害に対するリハ,レクの介入で病棟生活が活動的な環境に変化し,介助量軽減につながった。

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© 2016 一般社団法人 日本農村医学会
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