日本農村医学会雑誌
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症例報告
地域包括ケア病床におけるリハビリテーション栄養を実践して
右THA術後の症例
佐々木 一希新明 美佳
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2017 年 66 巻 4 号 p. 487-493

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抄録

 右変形性股関節症の治療のため入院となった81歳の女性に,人工股関節置換術(Total Hip Arthroplasty:以下THA)が施行された。術後は順調に回復し,T 字杖歩行が可能となった。術後9 病日で地域包括ケア病床へ転棟し,午前と午後の2 回(計4 単位)のリハビリテーション(以下リハ)を実施。術後22病日に右膝鵞足部痛が出現。リハビリテーション栄養(以下リハ栄養)アセスメントを実施し,加齢と摂取エネルギー不足によるサルコペニアを認めた。栄養管理と体重増加後のレジスタンストレーニング(以下RT)を実施し,鵞足部痛消失とT 字杖歩行を再獲得することができた。患者の病棟内の活動量,体重,食事摂取量などの栄養管理を含め,多職種との関わりを密にすることは,患者のADL の拡大や生活の質(Quality of Life:以下QOL)の向上に必要だと考える。

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© 2017 一般社団法人 日本農村医学会
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