抄録
本研究では,訪問看護の業務特性からみた訪問看護師が抱く困難感を明らかにすることで,その予防法や対策を検討することを目的とした。
訪問看護師13名を対象にインタビュー調査を行ない,インタビュー内容から困難感を抽出し,質的分析を行なった。その結果122の文脈から,19のサブカテゴリーと7つのカテゴリーに分類された。訪問看護師が抱く困難感として,単独訪問に関連する【単独訪問からくる困難さ】,【訪問看護の知識・技術不足からくる不安や困難さ】,職場環境と考えられる【職場の勤務体制からくる困難さ】,【医師との連携への困難さ】,【職場の人間関係からくる困難感】,また,個人の年齢や身体状況等により変化すると考えられる【身体的負担が大きいことの困難さ】と【家庭との両立の困難さ】が抽出された。このことから訪問看護師が抱く困難感への対策は,訪問看護の業務特性と職場環境,ワークライフバランスの視点から検討していく必要があると考えられる。