2019 年 68 巻 1 号 p. 106-110
継続看護を行なうために,病棟看護師が退院サマリーで提供するとよいと考える情報と,外来看護師が必要とする情報の違いを明らかにすることを目的とし,質問紙を用いた調査を行なった。質問紙は,退院サマリーに必要と考える情報と継続看護に対する意識について選択式とし,選択した理由も問うた。選択式回答は単純集計,選択理由は類似しているものをまとめ,分析した。結果は,退院サマリーに必要と考える情報は,病棟・外来看護師共に上位6項目は同じであった。しかし,退院サマリーを通して病棟と外来間で看護が継続されていると思うかの設問では,「思う」と回答した看護師の割合は病棟5割,外来1割強であった。それぞれの設問の選択した理由から,外来看護師は継続すべき具体的な情報を退院サマリーで求めているのに対し,病棟看護師は入院中の経過を要約した情報を共有することが継続看護と捉えているという違いが示唆された。この違いは,病棟と外来の看護の特徴が影響していると考える。継続看護を行なうためには,病棟・外来看護師が,互いにどのような情報を必要としているのか知ることが必要である。