日本農村医学会雑誌
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研究報告
曝露後予防におけるオセルタミビル5日間投与の有効性評価と病院経営への影響
杢保 貴幸濵田 真由子石井 康友宮本 彩向井 浩一朗徳竹 裕貴植田 宏治松岡 裕士
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2021 年 69 巻 5 号 p. 489-493

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抄録

 インフルエンザを発症した患者の同室者や濃厚接触者に対して曝露後予防投与を行なう場合がある。オセルタミビルの添付文書では7~10日の投与とされているが,院内規定は5日の投与と設定している。今回,入院患者,医療従事者の曝露後予防におけるオセルタミビル5日間投与の有効性評価と病院経営への影響について検討した。診療録を基にインフルエンザ2次感染の有無を後方視的に調査した。調査期間は2013年度〜2017年度の5年間とした。有効性評価は2次感染率(発症患者のインフルエンザ診断から診断日を含めて10日以内に2次感染が認められた患者数/予防投与を行なった人数×100)とした。また,オセルタミビルの5日間投与と添付文書に従ったと仮定した場合の薬剤費の比較を行なった。オセルタミビルによる曝露後予防投与を行なった入院患者は133名,医療従事者は434名,2次感染率は3.0%(4/133件),0.5%(2/434件)であった。薬剤費は10日間投与と仮定した場合と比較して50%(約85万円)減少した。オセルタミビルの5日間投与の有効性は他の報告と同等以上であり,有効であったと考えられる。また,2次感染予防は入院期間延長の回避が期待され,副次的に病院経営に貢献した可能性があると示唆される。

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© 2021 一般社団法人 日本農村医学会
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