日本農村医学会雑誌
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研究報告
看護師がとらえた在宅人工呼吸療法を行なう筋萎縮性側索硬化症療養者の外出への思いと看護師の支援
川村 由里西崎 未和田口(袴田) 理恵
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2021 年 69 巻 5 号 p. 494-505

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抄録

 本研究は看護師がとらえた在宅人工呼吸療法(HMV)を行なう外出未経験の筋萎縮性側索硬化症(ALS)療養者が持つ外出への思いと,その思いに対し外出を可能とするために看護師が行なった支援を明らかにすることを目的とした。外出未経験のALS/HMV療養者に対し外出支援経験のある看護師5名に,半構造的面接および帰納的分析を行なった。看護師がとらえた外出未経験のALS/HMV療養者が持つ外出への思いは,≪外出への希求≫,≪姿勢保持や身体的苦痛に対する懸念≫,≪機器トラブルへの懸念≫など9カテゴリであった。これらの思いに対し外出を可能とするために看護師が行なった支援は,【危険への予測と対応を準備する】,【療養生活に外出を取り入れるように促す】,【外出のタイミングを見計らう】など7カテゴリであった。看護師はALS/HMV療養者の外出に対する積極的,消極的思いをとらえ,安全性の確保,意欲の向上,懸念の解消,主体性の向上を通して生活拡大にむけて支援していた。

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© 2021 一般社団法人 日本農村医学会
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