日本農村医学会雑誌
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症例報告
兵庫県でペット犬に付着したダニに咬まれて感染・発症し長野県の医療機関で診断・治療した日本紅斑熱の1例
唐澤 忠宏宮尾 愛萩原 俊美矢澤 正信
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2021 年 69 巻 5 号 p. 525-529

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抄録

 兵庫県で,ペット犬に付着したダニに咬まれて,40代の女性が発熱した。その後,山梨県の別荘に移動した。両県で医療機関を受診し投薬治療されたが症状は改善せず,別荘近くの長野県にある当院に入院した。急性期DICの状態であった。我々は問診からダニ関連感染症を疑い,ドキシサイクリンとレボフロキサシン投与で治癒した。退院から9か月後,国立感染症研究所が実施した血清学的検査により日本紅斑熱であることが確定した。同疾患の長野県における報告は稀である(1999年から3症例)。しかしながら本症例報告からわかるように,同疾患は,急性の高熱・皮疹患者を診察したときには地域にかかわらず鑑別に挙げるべき感染症であると強調したい。

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© 2021 一般社団法人 日本農村医学会
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