1961 年 10 巻 1 号 p. 1-5
1959年から, 1961年にわたり, 秋田県山本郡において肝吸虫の流行状況を調査し, 次の結果を得た。
1. 8地区住民998名および小学校9校3, 445名におけるその感染率は, 住民10.9%~66.0%, 小学生0.9%~17.4%であり, 地区的には八郎潟北岸から浅内沼周辺にかけて高率な感染を示した。
2. 浅内沼, 小友産めヒガイ, タナゴ, ゼニタナゴ, イシモロコ等に肝吸虫metacercariaの感染を認め, また従来不明のままに止まっていた八郎潟産のタナゴからも同metacercariaの存在を認めることが出来た。
3. 浅内沼および赤沼におけるマメタニシの棲息を確認した。