日本農村医学会雑誌
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脳卒中予知についてのアンケート調査まとめ
関 博人藤原 秀臣伊藤 政志進藤 多妃子林 雅人細谷 賢一野尻 雅美真島 三郎磯村 孝二関口 善孝野田 喜代一
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1988 年 36 巻 5 号 p. 1107-1113

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抄録

脳卒中は農村において死亡率の高い疾患として, 臨床上, 疫学上重要な疾患であるが, その事前予知, 事前予防が可能ならば, 農民のみならずすべての人にとっても大きな利益となるのである。1985-1986年度にかけ全共連委託研究 [農村における脳卒中発症の近接予知ならびに事前予防についての研究] の一部として脳卒中患者の発症前の, 自覚症状, 心電図所見, 血液所見等についてのアンケート調査を行なった。アンケートは秋田県厚生連由利組合総合病院, 秋田県厚生連平鹿総合病院, 長野県佐久総合病院, 茨城県土浦協同病院, 広島県厚生連広島総合病院など5研究機関から回答があった。その結果脳卒中発作1年前とくらべ3か月前の成績が推計学的に有意に増加した自覚症状は, 脳卒中全体では, 倦怠感, もの忘れ, 早朝覚醒であり, 脳梗塞だけに限定すると, 息切れ, 狭心症, もの忘れ, 夜尿などであった。これらの自覚症状は脳卒中に特有のものではないが, 脳卒中の前兆である可能性があることに注意しなければならない。

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