長野県農村における20才, 30才代の若壮年者の健康状態をみると, 高血圧者率は中高年者に比べてかなり低率であり, 高コレステロール血症の頻度も低い。肥満者の頻度は男性でやや高い傾向がみられるが, 女性では低率である。貧血は男性ではほとんどみられないが女性ではかなり多く, 肝機能異常者は男性に比較的多く認められた。栄養摂取面では, 男性において食事内容のバランスのくずれているものが少なくなく, アルコール飲料の摂取も多い。女性では菓子類の摂取が多い。また, 女性では貧血予防のために魚・肉・乳卵・大豆類の蛋白質を多くとる必要がある。さらに若壮年者でも現在なお塩分摂取が多く, 高血圧予防の面で減塩対策の推進は今後も重要である。