日本農村医学会雑誌
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農村における世帯構成と老人の循環系疾患医療費との関係について
国民健康保険医療費からの分析
江崎 廣次仲吉 則雄畝 博渡辺 大介前田 真澄
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1990 年 39 巻 1 号 p. 16-22

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抄録

福岡県夜須町住民で国民健康保険に加入している65才以上の老人について, 循環器疾患の医療費と家族構成 (子供との同居の有無, 配偶老の有無) との関係を調査した。
老人1人あたり, 年間の保険件数および保険点数 (昭和57・58年) を医療費の指標として用いた。
子供と同居している場合, 配偶者のいる老人は, 男女ともに医療費が低かったが, 配偶者のいない老人は, 男女とも医療費が高かった。子供と別居している場合, 配偶者のいる老人は男で入院医療費が低いが, 女では逆に高かった。
子供と別居し, 配偶者のない場合 (兄弟, 甥, 姪などと同居), 男は入院が多く, 入院外が少ない傾向にあるが, 女はその逆の傾向を示していた。一人暮らしの老人の場合, 男女ともに医療費が低い傾向にあった。
以上のとおり, 老人の循環器疾患医療費は, 子供との同居の有無より, 配偶者の有無の方が影響が大であった。

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