日本農村医学会雑誌
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Lyme病と考えられた1例
佐藤 英嗣東 清吾山口 潤熊切 正信佐藤 七七朗
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キーワード: Lyme病, 慢性遊走性紅斑
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1993 年 42 巻 4 号 p. 979-982

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抄録

1977年に米国コネチカット州ライム地方で確認され, ライム関節炎として報告されたスピロヘータの全身感染症であるLyme病は, 本邦でも報告例が増加している。本疾患はBorrelia burgdorferiに起因する感染症であるが, 皮膚症状である慢性遊走性紅斑をはじめ, 神経症状, 関節症状, 心電図異常など種々の症状を併発することが知られている。
Lyme病の診断には血清抗体価の上昇と, 明らかな本症の臨床症状が一つ以上あれば診断が確定する。しかし, 慢性遊走性紅斑のみの軽症例や, 早期に抗生剤が投与された患者, または感染後1か月以内の患者では, 十分に抗体価の上昇がみられない場合もあり, 診断は必ずしも容易ではない。自験例は臨床像や症状は合致するが, 抗体価の有意な上昇はみられなかった。しかし, 慢性遊走性紅斑が抗生剤投与に反応して軽快したこと、心電図の異常があり, これはLyme病で生じる症状の一つであることから, 自験例もLyme病であると推測した。

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