日本農村医学会雑誌
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ハウス内DDVP乳剤散布後の気中濃度の推移と人体暴露対策
福島 哲仁北條 宣政礒邉 顕生塩飽 邦憲山根 洋右
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1994 年 42 巻 5 号 p. 1056-1060

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抄録

メロンハウス内において, ジクロルボス (DDVP) 乳剤散布中の人体暴露状況と散布後の気中濃度の推移を測定し, ハウス内作業における農薬暴露対策を検討した。メロンハウス内で, 防毒マスクを着用し, 顔面以外露出部がない状態で農薬散布を行った2名の男性の散布1時間後の血清DDVP濃度は, それぞれ21.2ng/ml, 15.0ng/mlであったが, 血清コリンエステラーゼ活性値の低下はみられなかった。DDVP散布後ハウス内の気中濃度の推移をみると, 地面に近いほどDDVP濃度が高かった。時間経過でみると, 散布後2日目までは, 0.5ppm~2ppmと高濃度で推移し, それ以降はほぼ0.5ppm以下になり, 1週間目で検出限界以下となった。気中濃度の日内変動をみると, 換気が大きく影響していた。
以上の結果から, 蒸散し易い有機燐剤DDVP散布後のハウス内暴露対策として, 以下の点を留意する必要がある。
(1) 散布中の装備は, 防毒マスクだけでは不十分であり, 顔面の覆い, 防除眼鏡等の装着が望ましい。(2) 散布後2日までは気中濃度が高く, ハウス内の作業を控える必要がある。(3) 散布後2日以降ハウス内で作業する場合, 換気を十分に行い, 散布後1週間までは防毒マスクの装着が望まれる。(4) 特に「芽こぎ」等の中腰作業を行う場合, 立位より暴露の危険が高いので, ハウスの換気窓の位置をできるだけ低くし, 地面に近い位置の換気に気をつける必要がある。

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