日本農村医学会雑誌
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免疫便潜血検査 (2日法) による大腸がん検診
藤好 建史
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1994 年 43 巻 2 号 p. 57-64

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抄録

平成4年度より第三次老人保健法によって大腸がん検診が制度化され, スクリーニング法として免疫便潜血検査が採用された。この免疫便潜血検査による大腸がんのスクリーニング法は次々と改良が施され, 大腸がんの発見法としては, 一定の成果を見るに至っている。しかし, この免疫便潜血検査も, スクリーニングという目を離れてキットそのものの精度に目を向けてみると, 未だ実に多くの問題点を含んでいると言える。
本稿では, まず過去の化学的便潜血検査の歴史を振り返り, なぜ2回法によるがん検診が行われるに至ったかを順を追って考察した。次いで, 大腸がん検診が抱えている多くの未解決の問題点 ((1) 精密検査の処理能力とその方法 (2) 大腸内視鏡医の育成 (3) 大腸検診普及のための方法 (4) 発見腺腫の取り扱い) について検討を加え, そこから将来の大腸がん対策のための戦略会議を提案した。

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