日本農村医学会雑誌
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双方向CATVを活用した在宅療養支援システムの構築と運用評価
松浦 尊麿
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1996 年 44 巻 5 号 p. 689-696

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抄録

淡路島西海岸に位置する人口10,800人の農漁村である五色町は, 65歳以上の人口比率が25.3%と高齢社会が具現化しており, 一人暮らし, 老夫婦世帯が前世帯の17.1%と多い。
従って, 在宅ケアのニーズも高く, 平成3年には保健・医療・福祉を担当する行政機構を一体化し, 健康福祉総合センターを開設して, 各種ケアスタッフの統合による総合ケアを推進している。
五色町への全体有線テレビの導入にあたりその双方向性を活用して, 在宅保健・医療・福祉支援システムを構築し, 平成7年5月から, コミュニティーベースでは世界で初めての実用稼働を開始した。このシステムは, 在宅療養を希望する重症患者宅と主治医医療機関との間での映像を通した在宅療養支援システムと, ケアスタッフが家庭訪問時に携帯し主治医に映像を通じてアドバイスを受ける在宅ケア支援システム及び老人世帯の緊急通報システムからなっている。これらのシステムは在宅療養患者, 高齢者や看護家族の精神的支えとなり, また, ケアスタッフにとってもケアの質的向上をもたらしているので, そのシステムの概要, 運用方法及びこれまでの評価について報告する。

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