日本農村医学会雑誌
Online ISSN : 1349-7421
Print ISSN : 0468-2513
ISSN-L : 0468-2513
四国農村医学会の20年
その歴史を振り返り農村医学の将来を展望する
坂東 玲芳
著者情報
ジャーナル フリー

1996 年 44 巻 6 号 p. 830-838

詳細
抄録

四国農村医学会は, 日本農村医学会の地方学会として, 1975年に発足し, 20年を経過した。この20回記念として, その歴史を振り返り, 将来を展望した。
農村医学は, 農業医学と農村保健医学とを併せ持つ性格を有し, 農村住民に対する包括医療を目指す地域社会医学である。
この農村医学の将来を展望するには, 日本の農村と農業の未来の姿をイメージする必要がある。すなわち, 日本の農業は, 今後, ますます専業化, 大型化する方向にあり, よって, 農村医学は, 専業農家群と専業農業者に対する農業医学的視点からのアプローチが, より強く求められることになろう。一方, 農村は, より強く混住社会化することが考えられ, 農村における地域ぐるみの健康管理対策がさらに重要となる。そして, 高齢化が進む農村住民の介護対策が, もっとも, 急を要する課題である。小さい視点からは, 厚生連病院に, 農村医学研究室を作ることを提唱したい。

著者関連情報
© (社)日本農村医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top