日本農村医学会雑誌
Online ISSN : 1349-7421
Print ISSN : 0468-2513
ISSN-L : 0468-2513
慢性血液透析患者の心臓超音波所見におよぼす高血圧の影響
小野 満也古武 昌幸池添 正哉山口 博佐藤 博司
著者情報
ジャーナル フリー

1997 年 46 巻 4 号 p. 743-747

詳細
抄録

111例の慢性血液透析患者中19例を透析前後の血圧によって, 血圧正常群 (9例), 透析前高血圧群 (6例), 透析前後高血圧群 (4例) の3群に分類し, 左室拡張末期径 (LVDd), 駆出率 (EF), 心室中隔壁厚 (IVT), 左房径 (LAD) の4点について平均値を比較した。EFは透析前高血圧群 (68±9.4mm) が血圧正常群 (65±9.6mm) に比し有意に増加 (P=0.03) しており, IVTは血圧正常群 (平均10±1.7%) に比し透析前高血圧群 (11±0.9%), 透析前後高血圧群 (11±0.6%) とも有意に肥厚していた (P=0.01, 0.01)。血液透析患者の高血圧は心機能に影響を与えている可能性が示唆され, 血圧のコントロールが重要と思われた。

著者関連情報
© (社)日本農村医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top