1997 年 46 巻 4 号 p. 743-747
111例の慢性血液透析患者中19例を透析前後の血圧によって, 血圧正常群 (9例), 透析前高血圧群 (6例), 透析前後高血圧群 (4例) の3群に分類し, 左室拡張末期径 (LVDd), 駆出率 (EF), 心室中隔壁厚 (IVT), 左房径 (LAD) の4点について平均値を比較した。EFは透析前高血圧群 (68±9.4mm) が血圧正常群 (65±9.6mm) に比し有意に増加 (P=0.03) しており, IVTは血圧正常群 (平均10±1.7%) に比し透析前高血圧群 (11±0.9%), 透析前後高血圧群 (11±0.6%) とも有意に肥厚していた (P=0.01, 0.01)。血液透析患者の高血圧は心機能に影響を与えている可能性が示唆され, 血圧のコントロールが重要と思われた。