日本農村医学会雑誌
Online ISSN : 1349-7421
Print ISSN : 0468-2513
ISSN-L : 0468-2513
Cornell Medical Index健康調査表を用いた抑うつ状態のスクリーニング
山際 幹和服部 玲子
著者情報
キーワード: 抑うつ状態, CMI, SDS, SRQ-D
ジャーナル フリー

2000 年 49 巻 2 号 p. 79-85

詳細
抄録

耳鳴, めまい, 咽喉頭異常感, 舌痛を主訴に受診した306名 (男性148名, 女性158名, 18~83歳, 平均57.7歳) を対象に, Cornell Medical Index健康調査 (CMI), Self-rating depression scale (SDS), Self-rating questionnaire for depression (SRQ-D) を同時に行い, CMIの抑うつ状態に関連した24問に対する「はい」の回答数 (CMI-DEP得点) とSDS得点やSRQ-D得点の関連性を検討したところ, それらは有意に相関した (Spearman'sρは0.570と0.659で, ともにp<0.0001)。
SDS判定方法 (抑うつ性乏しい, 軽度抑うつ性あり, 中等度抑うつ性あり) とSRQD判定方法 (健常, 時として仮面うつ病を疑う境界型, 仮面うつ病の疑いあり) と対応させてCMI-DEP得点をカテゴリー分類 (健常0~5点, 抑うつ傾向6~11点, 抑うつ状態12~24点) して試行したCMI-DEP判定の結果はSDS判定やSRQ-D判定の結果と有意に関連した (χ2検定でともにP<0.0001)。
CMIは, 心身両面の健康状態のスクリーニングを行う上で有益な方法であり, 深町法を用いた神経症の判別や阿部法変法による不定愁訴患者の分類のみならず, その抑うつ状態に関連する24問に対する回答を分析すれば, 抑うつ状態のスクリーニングにも利用できると推論した。

著者関連情報
© (社)日本農村医学会
次の記事
feedback
Top