日本農村医学会雑誌
Online ISSN : 1349-7421
Print ISSN : 0468-2513
ISSN-L : 0468-2513
下顎関節突起骨折72例の臨床的検討
鈴木 克年茂木 健司
著者情報
ジャーナル フリー

2001 年 49 巻 6 号 p. 863-869

詳細
抄録

下顎関節突起骨折は, 下顎骨骨折の中でも発生頻度が高い。顎関節は解剖学的, 機能的に複雑であるため, 下顎関節突起骨折の診断, 治療には十分な配慮が必要と思われる。
著者らは, 1991年4月より1995年3月までの4年間に群馬大学医学部附属病院歯科口腔外科を受診した下顎関節突起骨折症例72例について臨床的検討を行い, 次の結果が得られた。
1. 下顎関節突起骨折の発生頻度は, 当科を受診した下顎骨骨折症例の42.6%であった。男女比は2: 1であり, 年齢層別では10歳代に最も多くみられ, 全体の31.9%を占めていた。
2. 受傷原因では, 転倒・転落が50.0%と最も多く, 全患者の84.7%が受傷後2週間以内に当科を受診した。
3. 片側性骨折は59例 (81.9%), 両側性骨折は13例 (18.1%) であり, 36例 (50.0%) は他部位骨折を併発していた。
4. 下顎関節突起骨折の細分類については, 関節突起基底部偏位骨折が17関節 (20.5%) と最も多かった。
5. 治療方法については, 当科で治療を行った67例中62例 (92.5%) に非観血的処置が行われた。その内容は, 主に顎間固定後, 開口訓練であった・また, 5例 (7.5%) に対して, 観血的処置が行われた。
6. 治療後6か月以上経過を観察し得た59例について治療成績の検討を行った。非観血的処置を行った54例のうち, 完全治癒は46例 (85.2%), 障害16例 (11.1%), 障害II2例 (3.7%) であった。観血的処置を行った5例では, 完全治癒3例, 障害II2例であった。以上から, 非観血的処置によりおおむね良好な治癒が得られた。

著者関連情報
© (社)日本農村医学会
前の記事
feedback
Top