日本農村医学会雑誌
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剖検からみた突然死
86例の検討
山口 潤佐久間 裕司高桑 麗子後藤 朋子鹿野 泰邦
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2001 年 50 巻 1 号 p. 23-28

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抄録

帯広地区の2病院における15歳以上の突然死を検討した。突然死の基準を, 発症から死亡までが24時間以内のものとした。
突然死の頻度を知るために1992年と93年の2年間に死亡した1,088例について死亡診断書と診療記録から検討すると, 突然死は130例 (11.9%) であった。
次に, 1985年から99年までの15年間に解剖された, 突然死86症例を検討した。死因別では, 心筋梗塞がもっとも多く42例であり, 急性心筋梗塞が40例 (陳旧性梗塞を伴わないもの19例, 伴うもの21例) であった。その他の死因としては, 特発性心筋症2, サルコイドーシス1, アミロイドシース2, 心弁膜症2, 大動脈瘤破裂7, 解離性大動脈瘤6, 肺塞栓症16, 肺高血圧症1, 肺炎1, 絞扼性イレウス1, 腹腔内出血1, 腸梗塞1, 脳出血2, ポックリ病1であった。
心筋梗塞は42例 (48.8%) であり, 心筋梗塞を含む心疾患は49例であった。大動脈疾患は13例であった。併せて62例 (72.1%) は心・血管系の循環器疾患であり, 呼吸器疾患は18例で全体の20.9%を占めた。肺塞栓症は16例であり, 女性は14例であった。また術中発症が2例, 術後歩行中発症が8例など16例中15例が肺塞栓症の危険因子を有していた。

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