2002 年 51 巻 2 号 p. 114-126
少子高齢化進農に伴う保険財源問題, 医療の量的充足等を背景に医療に対し効率化を求める政策が打ち出されている。このような状況のもと, 今後の医療収入の伸びは頭打ち状態が想定されることを認識するとともにそれに対する施策とし愛知県厚生連において部門別原価システムの構築を図り, 職員の原価意識の覚醒, 部門単位での採算性把握, あるいは部門の方向性の指針として各病院でシステムの導入, 活用を実施することとなった。今回, この部門別原価管理システムの概要ならびに損益分岐点を利用した目標患者数の設定, 分岐点を下回っている診療科・協助部門の分析, および対応策など具体的な活用例を示すとともに今後の課題として精度向上やシステム標準化の必要性などが確認された。