日本農村医学会雑誌
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茨城県麻生町における脳卒中の実態
田谷 利光藤田 明中島 徹真剣持 守石島 昭弥鈴木 啓央山田 通喜山本 茂高橋 哲夫和田野 三郎大貫 稔静谷 晴夫
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1959 年 8 巻 2-3 号 p. 321-326

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抄録

私どもは茨城県における脳卒中死亡率が年々増加しているにもかかわらず, 他府県におけるような脳卒中の実態調査が, あまりおこなわれていないので, 茨城県麻生町における脳卒中の実態について調査した。その結果, この町においても脳卒中は昭和24年以降つねに死因の第1位をしめていることがわかり, しかも, 死亡率は年々増加の傾向を示し, 50才代の壮年層の死亡がふえつつあることは, 誠に憂慮すべきことと思う。
毎年50名前後の脳卒中死亡者があったが, 男が若干女より多かった。その最頻年令は66才から68才までの間で, いいかえればこの年令が脳卒中の危険年令に相当すると考えられる。脳卒中の発病と死亡がやはり冬の寒い時に多かったが, 秋田県, 長野県, 新潟県等に比較すれば降雪もなく, 気候温暖な土地である麻生町にも脳卒中が多発することは奇異の念をいだかせるので, 今後なおその解明に努力していきたいと思う。

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