19 巻 (1982) 3 号 p. 149-158
膝関節障害を有する老年者について,その機能障害を評価するため,筋活動状態とその時間的経過を知ることのできる筋電図を用いて種々の動作の特徴を分析した.対照として健常老年者16名の検索結果をしらべた.動作は歩行,階段昇降,椅子からの立ち上り,正座とその立ち上りなどを行ったが,ここでは主として歩行と階段昇降動作の分析を述べ,膝関節障害者の例をあげて論じた.老年者の変形性膝関節症の進行に伴って関節変形や破壊を生じると,筋活動の形は著しく変化してくる.それは大腿四頭筋の各筋のみならず,ハムストリングスの活動が特徴ある姿を示した.こうして各動作における基本パターンからの変異を判定することによって運動学的異常の評価を可能にした.