1987 年 24 巻 2 号 p. 85-91
試作したバネ式用手力量計を用い,仰臥位における下肢外転,下肢伸展挙上(SLR)および両側同時SLRの最大等尺性収縮の力を足関節部で測定した.経年変化の検索は,体重とKaup指数によって定めた標準体格者626名(11~79歳)を対象とした.
下肢3動作の最大等尺性収縮力値は,男女とも10歳代後半あるいは20歳代にピーク値を示した.女性では14歳ですでにピーク値に近く,40歳代までの差がわずかであることが男性と異なった.60歳代の筋力をピーク年代のそれと比較すると,3動作とも男性では約50%,女性では約70%であった.性差は11歳群以外にみられ,3動作ともピーク年代の男女比が2対1で最も差があった.