1987 年 24 巻 3 号 p. 145-151
新しい胸腰椎用instrumentation,anterior two-rod plateを用い,前方除圧固定術を行った胸腰椎損傷16例に関し,X線学的,神経学的および術後ADLの経時的改善状況につき成績を検討した.ADL評価にはBarthel Indexを使用した.粉砕骨折による不全麻痺例では,神経症状,ADLともに良好な改善が認められ,本手術法のよい適応と考えられた.脱臼骨折例は損傷部以下の完全麻痺例が多く,神経症状の回復は認められなかったが,脊柱の支持固定性の再建とshort fusionによる脊柱可撓性の温存により,早期よりのADL訓練が可能となった.