リハビリテーションにおいて阻害因子となる痴呆を,神経生理検査により評価する目的で,健康成人32名と脳梗塞患者10名とを対象にして,P300と長谷川式簡易知的機能評価スケール(以下長谷川式)とを行った.
健康成人において中心中央部CzのP300潜時は加齢により有意に延長した.また長谷川式で準痴呆患者におけるP300潜時は,健康成人に比べて有意に延長した.準正常の患者においてもP300潜時は有意に延長しているものがあった.リハビリテーションにおいて阻害因子となる痴呆を,P300を用いて客観的に評価可能と考える.