リハビリテーション医学
Online ISSN : 1880-778X
Print ISSN : 0034-351X
ISSN-L : 0034-351X
神経・筋疾患の病態生理に関する研究(第1報)
健常骨格筋におけるグリコーゲン代謝,特にヒラメ筋および外側広筋について
傳 秋光石原 健造原 泰久坂上 美和子横山 和正永田 安雄坊池 司鳴瀧 恭也谷口 洋
著者情報
ジャーナル フリー

1989 年 26 巻 1 号 p. 35-41

詳細
抄録

神経・筋疾患のグリコゲン代謝を調べる目的で,健常家兎ヒラメ筋(緩筋),外側広筋(速筋)を使用して予備研究を行った.(1)緩筋のglycogen synthase (GS)全活性とbranching enzyme活性は速筋よりも高値.phosphorylase kinase(PhK)全活性,phosphorylase(Ph)全活性,debraching enzymeはその逆.(2)GSの活性型比率は速筋で高値だが,PhKとPhのそれは緩筋で高値.(3)緩筋のcyclic AMP-dependent protein kinase (kinase A)とprotein phosphatase (PP ase)は速筋よりも高値.(4)以上から,緩筋のグリコーゲン代謝系酵素は速筋と異なり,PP aseよりはむしろkinase Aにより強く調節されることが示唆されたと共に,今後の疾患別検討の基礎データとなった.

著者関連情報
© 社団法人 日本リハビリテーション医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top