リハビリテーション医学
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脳卒中片麻痺患者における骨粗鬆症
里宇 明元高橋 守正園田 茂中川 智之千野 直一
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キーワード: 片麻痺, 骨粗鬆症
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1991 年 28 巻 10 号 p. 779-786

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抄録

脳卒中片麻痺患者62例を対象に,第3腰椎の骨塩定量法(q-CT),マイクロデンシトメトリー法(MD法)およびSingh indexを用いて骨粗鬆症の検討を行い,次の結果を得た.
1.全身的な骨粗鬆症の指標としての第3腰椎の骨塩量は,17%の例で正常より低下していたが,多変量解析の結果,性,年齢以外の因子とは関係が認められなかった.
2.MD法で求めたMCIおよびΣGS/Dは,手指のBrunnstrom stageがII以下では,麻痺側が健側より低下している例が有意に多かった.
3.下肢の麻痺stageがIV以下では,麻痺側のSingh indexが健側より低い例が有意に多かった.以上,片麻痺例における局所的な骨粗鬆症の存在が確認され,運動麻痺の程度との関係が示唆された.

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© 社団法人 日本リハビリテーション医学会
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