リハビリテーション医学
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脊髄小脳変性症患者の重心動揺に及ぼす重錘および緊縛帯負荷の効果
神経症状とMR画像からの検討
本井 ゆみ子松本 博之千葉 進野呂 浩史梁田 由樹子宮野 良子兼重 裕
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1992 年 29 巻 2 号 p. 137-143

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抄録

【対象と方法】脊髄小脳変性症患者19名に重錘または弾性緊縛帯を足首および腸骨稜の高さで腰部に負荷し,負荷前後における重心動揺の改善率を求めた.その成績を起立・歩行状態,神経症状,およびMR画像と対比検討した.
【まとめ】(1)重錘負荷時では足首と腰部負荷時改善率との間に相関を認めた(p<0.01).(2)足首および腰部前面重錘負荷は歩行が顕著に障害されているものの,独歩が可能な例に有効例が多い傾向にあった.(3)重錘負荷では深部腱反射亢進群は非亢進群に比較して有意な改善を示し(p<0.01),小脳虫部に比較して橋の萎縮が目立つ症例に有効例が多かった(p<0.05).(4)緊縛帯負荷では重錘負荷で認められた一定の傾向はなかった.

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© 社団法人 日本リハビリテーション医学会
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