32 巻 (1995) 1 号 p. 33-39
Marinesco-Sjögren症候群8家系14例の運動機能と移動能力の推移を分析した.14例は,1)ミオパチーを中核症候として,2)常染色体劣性遺伝,3)精神運動発達遅滞,4)幼児期発症の白内障,5)上肢に軽度の小脳症状,6)骨格異常,7)原発性性腺機能低下,などの特徴を共有していた.経過も類似しており,小児期に身体の成長と訓練によって杖歩行が可能になったものの,下肢優位の筋力低下が進行性で成人期には車椅子の生活に至っていた.一方,上肢の筋力低下が比較的軽度のために,食事や着衣動作は自立していた.幼児期に目立つ小脳症状は小児期に改善を示し,以後軽度であった.以上,本症では年齢により症状が変化することから,リハビリテーションにあたってはこの経過を理解することが必要であろう.