リハビリテーション医学
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肺切除術後早期における肺機能および運動耐容能の検討
染矢 富士子立野 勝彦八幡 徹太郎山口 朋子池永 康規
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1999 年 36 巻 8 号 p. 533-536

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抄録

肺切除術を受け合併症のなかった88名について術後早期の肺機能と運動耐容能を検討した.術後の評価は,平地歩行が普通にできるHugh-JonesのGrade 2になった時点とし,術後平均日数は17日であった.術後の肺機能は,肺活量は減少したが分時換気量が維持され,1回換気量の減少に対して呼吸数の増加による代償が認められることが示された.しかし,運動耐容能については,嫌気的代謝閾値での心拍数は術前後で差がなく,術後の酸素消費量と運動負荷量が低下した.この運動耐容能の低下は,文献的考察も加えたところ,換気当量および心拍出量の低下の影響が大きいと考えられた.

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© 社団法人 日本リハビリテーション医学会
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