39 巻 (2002) 3 号 p. 141-144
筋強直性ジストロフィー患者での「咳嗽反射の閾値」の異常の有無について検討した.対象は,筋強直性ジストロフィー患者14名(男性6名,女性8名,平均年齢54.0歳)および年齢と性別をマッチさせた健常者14名(54.2歳)である.生理食塩水およびクエン酸溶液(5.6~360mg/ml)を低濃度のものから順にそれぞれ1分間被検者に吸入させ,その後1分間観察時間を置いた.各濃度の溶液吸入開始後の2分間に誘発される咳嗽の回数が,初めて10回以上となる濃度を閾値とした.その結果,患者群で咳嗽反射の閾値が有意に高かった(p=0.011).健常者群と比較し,患者群では,クエン酸溶液吸入での咳嗽が誘発されにくいといえる.