ヘルペス脳炎後の重度記憶障害者に医療スタッフがジョブコーチを施行した.症例は47歳の地方公務員で,発症後1年3ヵ月目より8ヵ月間に14回職場訪問指導を実施した.ジョブコーチは,誤りを即座に指摘し記憶痕跡を強化することにより病識の定着に努めた.同時に業務のフローチャート化による視覚刺激の補完ならびに会議や電話メモのコツ(略語の頻用,助詞や接続詞を略さない等)を指導した.さらに,職場には記憶障害症状にあわせてのアプローチ方法を指示しナチュラルサポート形成に努めた.その結果,健忘症状は残存するものの現職の経理事務主任への復職に至った.